発酵おせちの会~メニュー⑥たたきごぼう/tataki gobo(burdock)

皆様、こんばんわ!

本日、最終メニューとなりました。たたきごぼうです~!


一応これで、こちらの発酵おせちの会でカバーする5品(+黒豆)は終了としますが、
プラス伊達巻も追加でアップしますね。

たたきごぼう

ごぼう 250g (目安は一本半位)
白いりごま 大6
黒糖 大2 (ここは、メープルでもモラセスでも)
醤油 大3
お酢 大2
塩麹 大1
1.ゴマをフライパンで炒る 
  「焦げないように!」弱火~中火で気を付けてね。揺らしてね!
  いい香りがしてくるのを感じてね!

2.温かいうちにミキサーで半ずりにする(すりこぎでゴマすりしてもぐー)
  残りの材料を加えて、ごま酢を作っておく
  半量にして、半分をミキサーでガーっとこままくして、半分はそのままにして、
  これを混ぜると半ずりっぽくもなる。が、本当は全体をすりこぎでゴリゴリする方が美味しい。
  高速で「潰す」より、低速で丁寧にゴリゴリすると味も変わるんですよ。

3.ごぼうを洗って皮をこそげ落とす
  庖丁の裏の部分使ったり。ピーラーで皮をはぐのもありとしよう。
  優しく手で水洗いするだけで、皮をはがないというのも手。
  …なのですが、これは日本の柔らかくて美味しいごぼうの場合のみかな~(汗)日本では良くやっていたが…

4.お鍋の大きさに合わせて切って、水につけておく(なるべく長く切る)

6.沸騰したお鍋に投入、茹でる。歯ごたえが欲しい場合は短めに、柔らかいのがお好みの方は長めに茹でる。

7.ゆであがったそばからごぼうを叩く
  なるべく同じ長さ(5センチ位)、
  同じ太さに切り分け、温かいうちにごま酢に絡ませる
  この作業は、手早くね!

ゆであがったら熱いうちに手早く叩いて切って、直ぐにごま酢に絡ませるのがポイント
あまり水分がごま酢に入らないようにね。
その分、熱いうちに作業すると、余計な水分は飛んで行ってしまうので好都合。
冷める時に味が染みこむので、熱いうちに作業しましょうね。

たたきごぼう、私大好きで♪
ここは惜しげもなくかなりたっぷりな量のゴマを使います。

出来上がりをタッパーに詰める時は、まずごぼうをきちんと縦横揃えて行儀よく入れて、最後に上からごま酢を絡めてごぼうをごま酢で埋もれさせます。

塩麹を入れるのはとってもおすすめ!

麹作用で時間が経つとどんどん美味しくなります。


皆さん既にお気づきだと思いますが、
塩こうじのレシピ一つとっても
どれだけの塩分濃度で作られている塩麹か、人それぞれ。


仕込会のように、同じ塩麹を使って作る訳でもないので、ここは皆さん各自味を見ながらお好みの味を調整するしかない!あまりしょっぱくなりすぎないように、少な目から入れ始めて、味見してみてください。



このレシピは、おせちの仕込会で使っていたものをそっくりそのまま抜き出しています。万人に受けるように味濃い目に作っています。とりあえず一度作ってみて、そこから各自調整してみてね。




良くおせちの仕込会で、その場で作ったたたきごぼうを持ってきて、
うーん、この味‥どう?と、
味見をお願いされることが多々あります。



その時にどう修正したらよいか。

そこが解るようになると料理が簡単に思えてくると思うんです。

この「修正の仕方」に、来年はもっとフォーカスして、皆さんにお伝えできたらいいなぁと思っていた、
2019年の仕込み会だったのを鮮明に覚えていますが、
残念ながら、もう私が対面でおせちの仕込み会をすることないでしょう。


何しろ、オンラインで繋がるという事は、そもそも実際に会って味見をしてもらうわけにはいきませんので、



ここではやはり、
みなさん一人一人が調整しなくてはなりません。





薄い味なのであれば、どんな味を足したいのか?
もっとしょっぱく?
もっと甘く?
もっと味を濃いく?
もっとパンチを聞かせたい?



その辺りが解るようになるためには、常日頃から薄い味付けの中から必要最低限の味を付け足していくような料理の作り方をし、舌の感覚を敏感にさせておくととても好都合です。

引き算の方式です。
常日頃から、そのものの素材の味を知っておく事が大切なんですね。




こちら、たたきごぼうの場合であれば、

もっとしょっぱくしたい? - 塩麹をもう少し足す
もっと甘くしたい? ー 砂糖をもう少し足す。味醂でも(アルコールの味が広がらないように注意)
もっと味を濃くしたい? - 結構お酢を入れると味が濃く感じる事が。お塩も味を、濃くします。
ああ!お醤油の味が欲しかったんだ!という時もあります。
もっとパンチを利かせたい - 唐辛子のようなアクセントのあるものを加える

などなど。


・・・そもそも、この味に何を加えたらどのように変わるか、
それが想像出来るようにならないといけないんですがね!

だからここはもう、毎日のお料理の中で舌がどう感じるかのトレーニングが必要になる、ということです。
しかも、濃い味付けで慣れた舌を敏感にするためには、

食材の一つだけを、
味付けしないで

そのままの味を体感すること。

玉ねぎに火を通しただけとか。
とろっとして甘くて、美味しいんだよー。

炊飯器でふかしただけのさつまいもなんて本当においしいんだからー
これに砂糖を加えるなんて、訳わからない。。て思うようになります。
(栗きんとんの作り方を参照してね)








私の中で「料理は引き算」というアイデアを取り入れたのが、15年位かなー?!
あな吉さんの料理教室で学んだ事。

(あな吉さん知らない方、是非ググってみて。菜食料理研究家の方です。私の源はここにあります)


それ以来、私の人生そのものの中で、
色々な事に関して「引き算をする」が主流となってしまいました。
鍼灸治療でもそう。姿勢矯正もまさしくそれ。




今あるものの中から、
必要なものを足すのではなく、


必要ないものを引いてみる、



という考え。





ちょっと路線が違うけど、
風邪ひいた時とかもそうね。
風邪ひいたからと、栄耀あるものを食べるとかビタミンC取るとか、
お薬飲んで、とかではなく。(何かを足すのではなく)



風邪ひいたから何も食べないでまず休んでみるとか
(あ、水分はちゃんと取ってね)、

出てくる熱を出させてみるとか。




出て来た症状を抑えつけない。




素材そのものの味をまず知る事。
素材そのものがどのように動くかを観察する事。
水でゆでただけのごぼうの味とか。
自分の味覚がどうそれを感じるか。

それから必要最低限のものを少しづつ加え、味の変化を見ていくんです。



発酵おせちという事で、発酵物を付け足す事を期待されている方も結構いらっしゃると思うのですが、


もちろん発酵物を付け足す事もするのですが、


違う意味として、

この食べ物に既にいる微生物たち、
この食べ物の周りに寄ってくる微生物たち(いいヤツも悪いヤツも)
化学反応のように、
微生物が微生物を呼んで連鎖反応によりまた違う現象を起こしたり。(よくも悪くもね)





発酵も、
腐敗も含めね。




彼らの動きを読み、利用し、
美味しいものをかつ安全に頂く方法を知っておくことも大事なんじゃないかなと思っています。



このレシピを見るだけでは、塩麹からの酵素や栄養素の働きしか見えないと思いますが、


当然お醤油も発酵食品。お酢だってそう。

お砂糖も沢山いれれば保存食として使えるようになる。



昔のお節がギトギトに甘かったのは、砂糖を利用して腐るのを防止して長持ちさせるためだったんですね。


今ではそんなことも必要ないので、そんなに甘くする必要はなし。
ただ、ハレの日の料理位、
きちんと「甘い一品は甘くして」美味しくいただきましょう。





おっと話がそれました。




ごぼうそのモノから出てくる旨味、食感、栄養素。
それに寄ってくる微生物たち。


お砂糖の作用



もしお手元に手作りのお醤油があるのであれば是非加えてみてください。
そしてお酢。
殺菌作用の役割もあるし、お砂糖の甘さをきりりと演出してくれますね。

そして、この最低限の材料と味のバランスの中でぐっといい仕事をしてくれるのが、
麹がもたらしてくれる旨味や甘味。



ホンモノの発酵食品を使う事により、様々な微生物や目に見えないちっちゃいヤツの関係がどんどん複雑になり、

それが深い味わいを作っていきます。






是非、もっと深く発酵食品を学んでみませんか?


来年も、麹アドバイザー達が、
さまざまな場所で

さまざまな講習会を開催してくださると思います。






ま、とりあえず。



是非、そんな神秘溢れる美味しいたたきごぼうを作ってみてください。


いやいや、これはこのたたきごぼうだけではなく、
毎日の食卓に登場する、全ての料理に共通して言える事のはずなんですけどね。

毎日の食卓に登場する食品も、
調味料も、
手間をかけて作るその時間も、
相手のことを思うその心も、

全部神秘溢れる料理に変身しますわな。
そうあるべきなんでしょうね。







自分の周りだけでも、
いのちある生きた食べ物で一杯にしていきたいですね。
お正月がまさに、そういう事を伝える大事な行事の一つなのではないかと、

思っています。




まずは…
この一皿の中で起こっているであろう、
手から手へ伝わったたくさんの思い、
目に見えない世界に想いを馳せて、


味わってみてくださいね。


2021年12月16日(木)
しおりでした。

PS田作りのお頭、揃ってないですけど(笑)
  これ2014年とかの、子供用おせちプレートでした。
  微妙に均等に置けていませんが、
  まあこの時はそんなつもりで写真撮っていませんし!

  ひたすら毎年、同じものを作り続けています。

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Tataki Gobo / Burdock root

250g burdock root (about half a stick)
6 tablespoons white sesame seeds
2 tablespoons brown sugar (you can use maple or molasses here)
3 tablespoons soy sauce
2 tablespoons vinegar
1 tablespoon shio koji


1. Fry sesame seeds in a frying pan.
Don’t let them burn!
Be careful not to burn !
keep it low to medium heat.
Shake the pan!  

You can feel the good smell coming from them!

  1. While it is still warm, grind it with a blender to a semi-grind consistency
    (use a pestle to grind the sesame seeds).
    Add the rest of the ingredients and make sesame vinegar
  2. Wash the burdock and scrape off the skin. You can use the back part of the knife.
    You can also use a peeler to peel off the skin.  
    You can also just gently wash it with water by hand and not peel off the skin…..I used to do this in Japan, but… Unfortunately, I can’t find good quality of gobo(burdock) in Canada…
  1. Cut the burdock according to the size of the pot and soak it in water (cut it as long as possible).
  2. Put them into the boiling pot and boil them. If you want it to be crunchy, boil it shorter, if you like it soft, boil it longer.

6. Cut the burdock into pieces of the same length (about 5 cm) and thickness as possible, and toss them in the sesame vinegar while they are still warm.

7.When the burdock is boiled, pound and cut it while it is still hot, and then put it in the sesame vinegar immediately.

This is the key to prevent too much water from getting into the sesame vinegar.

If you work with it while it is still hot, the excess water will disappear.
The flavor will soak into the sesame vinegar when it cools, so work while it is hot.